③「トリックものがたり」松田道弘 著
マジック、パズル、詐欺の手口、ミステリー小説、映画の特殊撮影などなど、スマートに人を「騙す」トリックの世界を、驚くべき引き出しの多さで語ってゆくエッセイ集。
人が人を騙すために昔から積み重ねてきた努力は、不可能を可能にするという、人間が発明した極度に人工的な営みであるのだなとこの本を読むと感じます。
「トリックランドのエジソンたち」や、「でもどうしてこれを楽しまずにいられましょう ー すこしばかり狂ったアイディアの楽しさを!」といったような、著者の文章の持つ独特の温かみもこの本の魅力の大きな要素です。
2025.06.11