木の持つ独特の色・形・模様の面白さが近頃ようやく少しずつ感じられるようになってきました。
これまで私は木という素材と、自分が木を造形することとの結びつきが曖昧であることを造形の軸に据えて制作してきました。素材とそれに手を加える意識は本来結びつくはずのない二つのものであり、しかしそれらが奇しくも合わさることで造形は成りたっているのだと仮定することで造形の不思議を感じていました。
近頃、私は自分の造形を木や自然のなかにある「かたち」を表現するために用いることに面白みを感じます。かたちづくることをもっと素材としての木に、そして木が背負っている自然そのものに近づけていきたいと思うようになってきたのです。木、つまり自然にかたちが近づいていくような造形とはいったいどのようなものなのでしょうか?自然の「再現」でも「似姿」でもなく、木−自然のなかにあるなにか生きているかたちを造形としてつくることは可能なのか?
それは私にも分かりませんが、いま私は木の色や形・模様を使ってそのようなものをつくってみたいのです。
京芸 transmit program 2017
出展作家:西太志、水谷昌人、迎英里子、矢野洋輔
京芸 transmit program 2017
- Year
- 2017
- Type
- グループ展
- Venue
- 京都市芸術⼤学ギャラリー@KCUA / 京都